カラスとマネジメント

カラスがマネジメントをするということではありません。

カラスというとだれもが真っ黒で鳩より少し大きい鳥を思い浮かべると思います。しかし、カラスという種類の鳥はいないのをご存知でしょうか。実際にはハシブトガラス、ハシボソガラスなど、カラス科カラス属の中の黒い鳥を一般的にカラスと呼んでいます。

シラサギという鳥も同じです。真っ白なサギを思い浮かべると思いますがシラサギという種の鳥はいません。種としては、コサギ、チュウサギ、ダイサギなど、時期によってはアマサギも白一色になり他と区別がしにくくなります。

マネジメントという言葉も似たようなことがいえませんか。マネジメントと言われれば、誰もがなんとなく、管理者やリーダーとして組織やそのリソースである、ヒト・モノ・カネを管理する、ということを考えます。

しかし、立場やその時の状況により、違ったマネジメントが求められます。

黒い鳥や白い鳥をカラスやシラサギと呼んでも、一般的には間違いという訳ではありませんが、正しい名前や習性、生息場所などを理解すると、これらの鳥の見方が変わるはずです。

マネジメントの同様に、一律的にマネジメントと呼ぶのではなく、その多様性を理解することにより、より効果的なマネジメントができるのではないでしょうか。

我々は、生まれたときから親、先生、先輩、そして上司などと、ある意味ずっとマネジメントをされてきているので、自分の中にある種のマネジメント像が出来上がっています。しかし、それは自分の親、先生、上司などのスタイルであった、マネジメント全てではありません。他の人も同じように経験しマネジメントを捉えていると錯覚しがちです。その結果、自分の価値観でしか、マネジメントができなくなります。

ある人が黒い鳥を見て、あれはハシボソガラスだといっても、カラスとしか知らない人は「なにそれ」となります。すると、カラスの種類によって鳴き声が違っても、区別しないまま聞き流すことになります。これが、ビジネスの現場では、マイナスになることは理解できると思います。

まずはマネジメントの原理原則を理解し、その上で状況の応じた対応ができる、これがマネージャー・リーダーに必要な基本ではないでしょうか。